フライフィッシングで海! 18話 テクトロでセイゴ釣り

こんにちは。

2021年12月6日(月)

先日、名古屋港に「フライフィッシングでのセイゴ釣り に行ってきました。

師匠F氏のシーバス釣果に影響されて…

最近は「フライフィッシングでのオイカワ釣り」がとても調子よく、時間ができると川に通っております。

この日も、お昼過ぎにオイカワを釣っていました。

実は…前日に「釣り師匠F氏」から釣果の報告メールを貰っていました。

なかなかのシーバスです。オイカワ釣りから帰ってから、この報告の事を思い出し夕方に出陣っ!

オイカワ釣りは#0番のフライラインをキャストしていますので、久々に#6番タックルを大海原に向かってキャスティングっ!!

やはり高番手のフライタックで、思いっきり投げると気持ちいいものです。

ですが…。

スタートしてから30分近く沖に向かってキャスティングを繰り返しているのに、フライには反応がありあません。

所どころに、メバルかセイゴのものと思われれるライズは見えるのですが…。

「…あの水面の水飛沫は…ひょっとして…ボラが跳ねているだけ…なのか…???」

釣れない事をいつまでも続けていてもしょうがありません。ここで切り替えが効かない人(釣り方に拘る人)が、いわゆる「釣れない人」だと思います。

[桐谷 あきら]の魚が釣れる人 釣れない人

すぐ近くに停めた車に戻れば、根魚釣り用の「シンキングタイプのフライタックル」が積んであります。

水面の魚が釣れないなら、海底の魚を狙うという選択もあります。

ですが、「フライフィッシングでのセイゴ釣り」に関しては、自ら「最強メソッド」と思っている釣り方があります。

フライタックルでの『テクトロ』釣法。

『テクトロ』という釣り方をご存知でしょうか?

ルアーフィッシングでシーバスを狙っている方達には、お馴染みのメソッドです。シーバスだけではなく、実はバスフィッシングでも有効なフィールドは多いものです。

そして、『テクトロ釣法』は、ルアータックルのみならず「フライタックル」でも可能なのです。

「可能」という言い方は適切ではないかもしれません。「トップウォーター(水面)& サーフェイス(水面直下)」の釣りに関しては、テクトロとフライタックルはとても相性が良いのです。

数年前に、池でのフライフィッシングでのバス釣りを『テクトロ』で行った記事を書いた事があります。

フライフィッシングでバス釣り! 5話 テクトロ編

ルアータックル(&投げ釣り)の性質上、再キャストを行う場合はリールを巻いてラインを回収し、一旦必ず竿先まで「ルアーを戻さないと」いけません。

『 メガバス:キャスティングの方法』

はじめてのバス釣り | Megabass - メガバス オンラインショップ

上のメガバスのサイトの説明図では、竿先から「5~30cm」までぶら下がる位置までリールを巻くのが通常とされております。

ですが、フライフィッシングの場合は、ルアーフィッシングのように、ラインをほとんど回収する必要はないのです。反対にラインを回収したら投げられないのです。

「フライラインを全て回収したら投げられない=ラインを数m出したまま打ち返せる」

「…テクトロはキャスティングなんてしないのに…なんでルアーとフライのキャスティングの違いの話を書いてるの…?」

確かにそう思われそうですが、実際にルアー&フライの両方のタックルで『テクトロ』の釣りをやった事がある人(←たぶん極小数)ならお分かりだと思います。

『…あぁ…アレの事を言いたいのね…(笑)』

ルアーとフライの、根本的なキャスティングの違いがもたらす、実釣での『アレの事…』を説明します。

ロッドを持って岸際を「テクテク」「トローリング」して歩いていると、魚のバイト(=アタリ)をロッドグリップに感じます。釣り人なら反射的なロッド操作でアワセを入れるでしょう。

そのまま、フッキングに成功すれば万事OKなのですが『テクトロ』でのバイトは、アワセても乗らなったりバラシたりが多いのです。

せっかくバイトがあってもキャッチできなかった場合は、再びキャストする事になりますが、その再キャスト直後にヒットする事がとても多いのです。

『 釣り人:釣り入門者のための「サビキ釣り」Q&A 』

釣り入門者のための「サビキ釣り」Q&A/道具・仕掛け・釣り方・持ち帰り方まで! | 魚種別釣りガイド

この現象(再キャスト後のヒット)の事は、個人的にはこう解釈しております。

複数のフックを使った「ワカサギ釣り」「サビキ」等のリグ(仕掛け)を使った事のある方はご存知だと思いますが、その魚が掛かったほとんどの場合は、他の魚達もすぐ近くに居るのです。一緒になって複数の魚が追って来ている場合も多いのです。

たくさんの魚のうちの一匹が釣り鉤に掛かって暴れていると、他の魚達は興奮します。だからたくさんの複数の釣り鉤が付いたリグは、1匹の魚が掛かると次々に他の釣り鉤にも掛かるのです。

同じ事が『テクトロ』釣行時にも起きていると思います。

つまり、『テクトロ』で誘い出した魚は単独の1匹のだけではなく、何匹も追って来る中のうちの「ただ1匹」がルアーやフライに喰い付けただけであり、直ぐ側にはその他大勢の魚達も居るのです。

そして、ルアーやフライに喰い付いて暴れている「ただ1匹」の魚がもがき暴れる影響で興奮し、その他大勢の魚に捕食のスイッチが入っていると考えられます。

ですから、キャッチできなかったとしても、すぐに同じ場所に再キャストできる事は、実際とても有利なのです。

つまり『…アレの事…』というのは、バラシ直後の再キャストでのヒットを狙う事です。

「だったら、フライタックルよりもリールが付いて無い”テンカラ竿”の方がもっと良いの…?」

『 スターひろじ:海でテンカラやってみた! 』

『 スターひろじ:テンカラでメバル釣り 』

テンカラ釣りのタックルは、確かに手返しは抜群でしょう。ですが、いざ魚が掛かった場合の「取り込み」が大変でしょうね。リールが無いので、長いラインを手でたぐらないといけませんからね。

「足場が低い釣り場」で、なおかつ「ライディングネット装備」なら、テンカラ釣りでテクトロも現実性があると思います。

フライとテクトロのフュージョンで最強のセイゴ釣り成立!!

フライタックルでのテクトロ釣法の優位性について、長々と書いてきましたが…。

「…もぅ説明は良いから、先に結果はどうだったの…?」

はい。テクトロに切り替えてから、1時間半近くで10匹以上のセイゴを釣り上げました。最初の30分のノーバイトが嘘のようにバイトが連発しました。

使っているのは、魚皮をテールにしてスレッドだけのボディをUVコーティングした、#10番フックに巻いたシンプルなストリーマーです。

こんな、「フライ」と呼ぶのも恥ずかしいほどの手抜きパターンを使ったのですが、10匹以上の魚をキャッチし「バイトのアタリだけ」「ファイト中のバラシ」もキャッチできた以上の数がありました。

テクトロのただ1つのコツは「歩きを止めない」事。

釣り方は、フライラインを6・7m出したフライロッドを海面に向け、岸際を普通に歩いているだけです。暗い夜なので、躓いて海に落ちないようにしっかりと進行方向の足元を観ながら歩いています。

ただそれだけですので、フライフィッシングを始めたばかりの入門者で、まだフライキャスティングに慣れていない方でもできますね。投げないですから。

実際にこの釣りを初めてやってみると、アタリが多く出る事を新鮮に感じます。そして同時に「アタるのに乗らない…」という現象も数多くあります。

一番多いのが、瞬間的な「コツッ…」「クンッ…」というアタリです。

このような継続して伝わらない瞬間的な「単発のアタリ」をアワセる必要はありません。アワセを入れてもまず乗りませんので、そのまま歩き続けて下さい。

「歩きを止めない」というのは、バラシた時の再キャストの時以外の全てに当てはまります。フッキングが上手く行った場合も、そのまま歩いていた進行方向に進みながらファイト(取り込み)をします。

歩く事でフライを泳がせているのですから、「歩きを止める=フライの泳ぎが止まる」のです。フライの後ろを追ってきた魚達は、フライの泳ぎが止まった時点で散り去ります。

岸際の障害物を迂回したいなどの、どうしも歩き続けられない場合は、一度フライを水からピックアップして、一時的に沖や岸に移動させて下さい。

泳いでいないフライの姿を魚に見せていると、そのフライには魚がスレてしまいますので。

ロッドは9フィート前後、フライラインは低番手でもOK。

私が釣っている名古屋港は、過去の「伊勢湾台風」後に、岸壁を高く作り直したらしく、足場が高いです。

ですから、テクトロ』をするには、長めのフライロッドがやりやすいと思います。私は9フィート(2.7m)の#6番タックルを使いましたが、これくらいの長さがあればどの番手でも大丈夫でしょうね。

ライディングネットを使わずに、海面からそのままロッドで魚を抜き上げるなら#4番以上の強度は必要だと思いますが、海外製のフライロッドなら頑丈なものが多いので、#3番以下でも使えるかもしれません。

3X(1.5号)以上のハリスを使えば、フライラインを手で持って抜き上げられますから、普通の#3番以下のフライロッドも使えるはずです。

そして、軽いフライをほとんどキャスティングしない釣りですので、フライロッドの番手が何番でも、フライラインは手持ちの軽い番手のものでも使えますね。

フライフィッシングでオイカワ釣り! 第10話 #8番ロッドでオイカワ釣り

以前のオイカワ釣りの記事でも書きましたが「無風」に近い状態でしたら、WFタイプのフライラインの後ろ側(リール側)にあたる「ランニング部分」でも使えると思います。

フライラインは他の釣り糸と比べれば「オバケ」のように太いです。この太いラインは「キャスティング」の為の重量を稼ぐ為には必要ですが、魚に対してはマイナスの影響しか無いはずです。

フライキャスティングを行わない『テクトロ』の釣法なら、岸から海面までの「最低限の距離」にフライを落とせれば良いワケですから、できるだけ「細い=軽い=低番手」フライラインでも成立しますね。

「9フィート前後」の長さを持つフライロッドとなると通常は#5番以上ですので、「#3番くらいフライタックル」をお持ちでしたら、そのタックルからフライラインを巻いたリールを、長い方のロッドに取り付ければ良いですね。

『 親方ショップ:WF-1F フライライン ¥1,300(税込み)』

FLWF-1F

ネット通販を利用すれば、お値打ちな価格でフライ用品が入手できる時代ですからね。

今回の『テクトロ』も含め、イロイロな事を試してみる価値はありますね。

ちなみに…「Running Down The Man Trailer」という海のフライフィッシングの映画がありますが、「ランニング」という題名と「テクトロ」は関係ありません。

『 映画:Running Down The Man Trailer 』

「テクトロ」は走って行う必要はございませんので、試してみるという方はくれぐれも海に落ちないよう注意願います(過去に同行者が1名 真冬の海に落ちました)。

フライフィッシングで海! 初話へ戻ります。

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フライフィッシングで海! 19話へ続きます。

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