こんにちは。
2020-06-27(土)
前回のブログ”フライタイイング 第1話”の中で、TMCバイスⅡについて遠慮無しに言いたいことを書きまくってしまいました。
TMCバイスⅡのユーザー、特にカラー:青(ブルー)を所有している方々からの、クレーム的なコメントを覚悟していましたが、今現在のところはまだ大丈夫です(汗)
あくまでも私の個人的見解ですので、TMCバイスⅡ(ブルー)のユーザーの方は、お気を悪くしないで下さいね。
私の現在の愛機 タイイングバイスのフェラーリ!イタリア製 コッタレッリバイス
COTTARELLI STANDARD VISE(コッタレリ スタンダード バイス)
上の画像は、少し前に私が購入したイタリア製のタイイングバイス”コッタレッリ スタンダード バイス”です。
ジョーは、厚み3ミリの先端が薄くフラットなヤットコのような形状なので、ジョー周りはかなりスッキリしています。
もともとは、サイズの大きなサーモンフライをタイイングするために開発されたバイスのようです。
情熱的なフライタイヤーから、“the Ferrari of fly tying tools (タイイングツールのフェラーリ)”と呼ばれているだけのことはあります。
大変カッコいいバイスです。
愛国心の強いイタリアのフライマンには、結構愛用者が多いようでタイイング動画にもよく登場しています。
気のせいか…、イタリア人達がタイイングするフライパターンの発想は、どこか自分が巻いているものと似ています。
コッタレッリバイスの構造的な部分に関しては、可動部にベアリングは一つも使ってありません。古典的とも言える、真鍮パーツのネジの締め付け具合での調整です。
締め付け過ぎると動きが悪くなりますし、緩め過ぎるとガタが多くでます。私自身はこの部分は気に入りません。TMCバイスⅡほどではないにせよ、最低限ロータリー機構にだけはベアリングを使って欲しかったです。
この点は、私には大いに不満なのですが、このバイスの使用者のレビューというものが、日本ではほとんどありませんので、他のユーザーはどう思っているのかは不明ですね。
タイイングバイスらしからぬ美しいシルエット!!
構造的には昔ながらの古臭さを感じるこのバイスですが…。
さすがの”イタルデザイン”!
”タイイングバイスのフェラーリ”と呼ばれる事だけはあります(私は実車はポルシェ派でしたが…)。
”Tレックス”という、ジョーが2機装着されたモデルのシルエットなど…。
まるで、美女のグラマラスなバストのような…。
そして、ウェイトを兼ねたロータリーハンドルを持つ、テールからのながめは…。
やはり、美女の小さなヒップようなシルエットを彷彿させます(汗)
過剰とも言える装飾で仕上げられた、真鍮製のゴージャスな”トリポッド三脚”なども…。
やはり、美女の脚線美を思わせます。
タイイングバイスなのに、どこから見ても女性的なシルエットなのは、設計者の意図かどうかは不明ですが、結果的に現れた姿は実に魅力的です。
コッタレッリバイスは、”実車フェラーリ” や ”絶世の美女”と同じく、所有して姿を眺めてるだけでも嬉しいです。
実際、私のような50歳を過ぎた汚ったないオッサンが使うよりも、”綺麗な釣りガール”が所有するほうが似合うバイスです。
フライフィッシングは、一般的には ”お洒落で知的な釣り” というイメージですから、美女と相性がいいのです。
上の動画は10年以上前のものですが、女性ながら凄いキャスティングスキルです。きっとタイイングも上手いでしょうね。
イタリア職人 フランコ・コッタレッリの手創り
こちらの記事の中にも、このバイスの醸し出す雰囲気は絶賛されています。
THE ESSENCE OF FLY FISHING & THE ESSAY ON FLY FISHING vol.97/ T.TAKEDA
「今ではただただ眺めているだけで、イタリアの職人「フランコ・コッタッレリ」の熱い思いが、うんうん、ひしひしと伝わってくる。」
「かれこれ20数年、私が愛用してきた相棒のRENZETTI PRESENTATION VISE。現在に至るまで何の不具合も故障も無く、バリバリの現役。シンプルながらこれ以上のバイスは無い、と今まで思っていたのだけれど。ああ、ちょっぴり君がかすんで見える仕上がりのバイスなのだよ、ごめんよ。made in Italy COTTARELLI VISE 恐るべし。」
コッタレッリバイスの将来…?
イタリアのTV番組で取り上げられた時の動画です。
Franco cottarelli 氏はかなりのご高齢のようですが、町工場でたった独りでこのバイスを作っているのでしょうかね。
そうなると”フランク・マタレリのウィップフィニッシャー”のように、彼が引退したらコッタレリバイスも姿を消すかもしれないですね。
フライ用品は他の釣りに比べると(特にルアー)需要が少ないので、商品どころか製造元自体ががいつのまにか消えている事が多いです。
タイイングバイスから、少し話はそれますが…。
シャフトレス ラージアーバー フライリール : Back Winder Reels
この画像の非常にクールなフライリール。
「いつか機会があったら欲しいなぁ」と以前 思っていたのですが…。
掲載サイト:https://hermit-jp.com/index.html によると、「残念ながらこのリールメーカーは2007年に潰れてしまいました。」らしいです(泣)
このリールとは違いますが、他にもシャフトレスのフライリールは存在します。
装飾品的なイメージが強い外観だが、使用感も問題なし。
話をコッタレリバイスに戻します。
構造的に、回転精度の面で有利な”ベアリング”を使っていないからなのでしょうが、バイス全体のプロポーションはとてもスレンダーです。
精度的には、現代的構造を持つ他のバイスに劣る部分があるのは否めませんが、それを差し引いてもこのバイスの持つ雰囲気のみで購入しても、かなりの満足感が期待できると思います。
コッタレリバイスを実際に使用されている記事も、少ないですがネット上で見つけることができました。
THE COTTARELLI VISE / コッタレリバイス 野に棲む日日
「…機能の割にはお値頃だし…」と記載されていましたが、同感です。
私は春のセール期間中と言う事で、こちらでお値打ちに購入させていただきました。
コッタレッリバイスの商品のページには、ショップ店長さんのこのようなコメントがありました。
「店長の奥田です。このバイス私も使っておりますがとても扱いやすく、小さなフックから大きなフックまでぜんぜん問題なくタイイング時にバイスにセットしてタイイングすることができ、なんのストレスもありません。是非とも初心者の方からベテランの方まで使って頂きたいフライのバイスだと思います。一度使ってみてください。」
奥田店長、そのせつはたいへん丁寧な対応 どうもありがとごうざいました。
購入したコッタレッリバイスは、毎晩 撫で回して愛用しております。
本場のイタリアには、日本では取扱っていないオプション品も数多く存在するようです。
https://www.1000moscas.com/Tornos-cottarelli
コッタレリバイスは、日本国内ではあまりメジャーではない気もします(?)が、フライショップでは扱っているお店は意外と多いみたいですね。
COTTARELLI(コッタレリ)のバイス、フルモンティエディションのご紹介。
COTTARELLI(コッタレリ)のバイス、スタンダードとT-REX、トラベルデラックスのご紹介。
コッタレッリバイスは万人にへオススメなのか?
個人的には、タイイングバイスに”精度と機能”のみを追求される方には、コッタレッリバイスはオススメしません。
特に ”仕上げの品質” を重視される方などには、コッタレッリバイスは満足が得られない部分も存在するかと思います。
私的には、精度を求めるなら、”C&F製 CFT-9000リファレンスバイス” が最高ではないでしょうか?
たぶん世界的に見ても、このC&Fの製品よりも高精度のタイイングバイスは、存在しないと思います。実物の雰囲気は、まるで医療器具ですからね。
特に年中「ミッジ(極小毛鉤)」を巻く機会が多いオイカワ狙いの方など、このC&Fバイスが欲しい方は多いのではないでしょうか。
そして…。
機能に関しても、コッタレッリバイスよりも 前回のブログの中で考察した”TMCバイスⅡ” のほうが高いと思われます。
タイイングバイスを、自動車に置き換えて考えると分かりやすいのですが、商品としての品質や機械としての機能を評価するのなら、国産(日本)車を購入するのが1番なのは、誰にも異論は無いと思います。
ですが、その物自体が放つ ”存在感や雰囲気”などは、輸入車(外車)の中に優れたものが多いのも事実です。
両車とも、同じ”自動車”という道具ですから、できる事にそれほどの差は無いはずですが、いわゆる ”所有する満足感” は別の価値観です。
実際の話、タイイングバイスほど値段による釣果の差が少ない釣り道具も珍しいと思います。今の時代 1・2千円で購入できるバイスであっても使用に不具合は無いに等しいはずです。
このことも自動車と同じで、一般家庭の通常の通勤・買い物といった使用なら、経済的に優れる”軽自動車”でも何も不具合は無いでしょう(実際に私も軽自動車に乗っています)。
それ以上の経済的負担が掛かっても所有したい理由は、各自それぞれでしょから、タイイングバイスの購入にあたっての製品の選択も、私などが一括には語れないでしょう。
現在は「高機能な装備を実装している安価なタイイングバイス」も数多く発売されておりますから、本当に恵まれた時代です。
2021年12月5日追記:『アーバンアイランダー』という会社が、この「コッタレッリバイス」の正規販売店のようです。
CTA® (コッタレッリ・トロネリア・オートマティカ) – イタリアンデザイン・ハンドメイド タイングバイス&ツール
関連記事:2024年1月29日更新『フライタイイング 第14話 「Cottarelli(コッタレッリ)バイス」その2』。