こんにちは。
2018.12.11(火)
中通しセコ釣り竿! テンフラロッドのご紹介の第2話です。
”前回”では、この竿が生まれた背景と、製作の参考にさせてもらった、中通しテンカラ竿を自作している方々を紹介させてもらいました。
今回は製作にあたっての説明と注意点、パーツの調達について書きたいと思います。
通常ガイドの竿よりも安くて簡単に製作可能!
2枚の竿の画像のうち、上がはじめに製作した通常ガイドのハエ竿改フライロッド、下の方が中通し竿です。
全体の写真を比べてみると、一番の違いはやはりガイドの部分です。
上の写真が通常ガイドで製作した、ハエ竿改造フライロッドです。
各ブランクに1個ずつしかガイドを付けていませんが、トップガイドを含め9個のガイドをラッピングしました。
この下の写真が今回の中通し竿。
もともとの穂先を抜いて、穂持ち(2番目のブランク)からラインがブランクの中に通るので、トップガイド1個しかありません。
次の写真はグリップのすぐ上に装着した、中通し用の手元ガイド。
中通し竿は、穂先からラインが竿のブランクの中を通り、どこかからラインが出ます。
この竿は、グリップのすぐ上に中通し専用の手元ガイドを装着しています。
”前のブログ記事”で紹介させてもらった、数々の自作のテンカラ中通し竿の中には、竿尻のキャップに穴をあけてラインを出す設計も多かったです。
私はこの竿で、”ラインストリッピングによるリトリーブ”の釣りもしたいので、グリップの真上からラインを出しています。
中通し竿の製作で独特の加工は、竿の中からラインを出すためどこかに、”穴あけ加工”が必要となることです。
私はハンドルーターを使いブランクに楕円の穴をあけましたが、ホームセンターなどの工作コーナーでボール盤を借りてできると思います。
どちらにしても中通し竿の方が、パーツの費用も装着の手間も通常ガイドの竿よりも断然少ないです。
グリップ部分もシンプルに!
上の画像は、ハエ竿改フライロッドのグリップ部分ですが、フライロッドを意識していたので、パイプ式のリールシートを差尻に装着しています。
竿の内径とリールシートの内径が違うので、直径の違うアルミパイプを2種類組合わせ、リールシートを竿の後ろに装着しています。
グリップはEVAグリップの中身をくり抜き、元竿の形状に合わせました。
パイプ式のリールシートをアルミパイプを芯として竿の後ろに付けたので、非常に重量が増してしまい、太いグリップを付けないと竿が振れなくなったので、ルアー用のEVAグリップを装着したのです。
このように、はじめのハエ竿改フライロッドは、製作にかなりの手間がかかり、竿自体も重くなってしまいました。
今回の2番目に作った中通し竿の方は、前回のこの失敗(?)があったので、できる限りシンプルに軽量にを目指したので、下の写真のようにプレート式のシンプルなリールシートをラッピングしたのみです。
本来このリールシートは、3箇所で竿に固定するのですが、リールを少しでも後ろに位置したかったので、一番後ろの固定箇所は切断しています。
そして、差尻にはゴム輪式のフックキーパー。これはダイワの既成品です。
はじめのハエ竿改フライロッドに比べ、装着したパーツが少ないので、元の竿から重量はほとんど変わりません。
ですから、グリップは特に何も加工していません。
竿を持った時に、小指がリールシートを開閉レバーに接触しますので、現状とは逆の付け方をすれば良かったのかもしれません。
今度、3本目を製作する時には、今とは前後を逆に取り付けてみようと思います。
製作するにあたっての注意点
誰でも非常に簡単に製作できてしまう、今回紹介している中通し竿なのですが、製作するにあたり、注意点も多少あります。
まずは、ラインを竿の中から出すための、”手元ガイドの位置”です。
ベースとなる振り出し竿の手元(一番太いブランク)の形状が、先端とグリップ部分の直径に、”径差がないといけません”。
これは、竿をたたんだ時にラインが通るだけの、”スキ間”が必要だからです。
テンカラ竿のようにストレート(に近い)形状のブランクに穴をあけ、中通し手元ガイドを装着しますと、ラインの存在が邪魔してそれ以上竿がたためません。
ハエ竿やハゼ竿、渓流竿等はテーパー形状でグリップに向かい太くなっていくものが多いので、竿をたたんだ時に使用するラインが通るスキ間が確保できる位置に手元ガイドを装着します。
まずは、ベースになる竿を決める時は、手元のブランク径がテーパー上に太くなっている竿を選択してして下さい。
中通しトップガイドの内径に注意!
下の表は、中通し竿の穂先に装着した、”中通しトップガイド”のサイズが記してあります。
オレンジ色の枠の中の、”トップリング内径”に注目して下さい。
パイプ内径サイズが、2.0mmと2.2 mmでは、トップリング内径が違います。
2.0mm ではリング径が1.0mmなのに対して、2.2mmでは1.6mmです。
実際に、自分の竿のトップガイドを装着する穂持ち(完成すると穂先)の直径は2.0mmなのですが、パイプ内径2.0mmのトップガイドの内径は1.0mmしかありません。
フライラインを使用するつもりでしたので、1.0mmのリング内径では小さすぎましたので、ブランクにスレッドを巻き付けてパイプ内径2.2mmのガイドを装着しました。
通常のナイロンやフロロ、PEラインを使用するなら、1.0mmのリング径のトップガイドでも大丈夫だと思いますが、フライラインを使う場合は注意が必要です。
パーツの入手先の紹介
上の画像に写っているパーツ3点が、今回の中通し竿のほぼ全てのパーツです。
https://www.wasao.jp/SHOP/nktop.html
のネット通販で購入しました。
トップガイド:釣具のkase 釣竿製作用中通し竿トップガイド 2.2mm
手元ガイド:釣具のkase 中通し竿用ガイド(小竿用) シルバー
リールシート:釣具のkase ブラック・プレート式リールシート小物用S-5B
”フックキーパー”は、あったほうが移動のときに便利ですので私は付けています。
フックキーパー:ダイワ製 フックホルダー№13
パーツとしては以上の4点です。
手元ガイドとリールシートを取り付けるための、”ラッピングスレッド”と、ラッピングを固めるための、”エポキシコート”も必要です。
持っていない方は、釣具店のロッドビルディングコーナーで調達して下さい。
私はスレッド選びに、下のネット記事が大変参考になりましたので、リンクを貼らせていただきます。
ルアーフィッシングジャーナル ロッドメイキング】スレッドを買う時の注意点
どうもありがとうございました。
中通しセコ釣り竿! テンフラロッド釣行記 第1話 戻ります。