オモリウキ考 34 最終話

こんにちは。

2018.05.31(水)

幼い女の子を殺害した犯人が、14年経過した先日他の事件の加害者だと判明したとのニュースがありましたね。

何かと物騒な世の中です。幼い子供さんをお持ちのご両親は心配ごとが絶えないと思われます。

先日、”お客様ページ”にご登場いただいた友人F氏の娘さんですが、写真は顔が分からない範囲で掲載して欲しいとのことでした。

大きなブルーギルをオモリウキで釣り上げ、”満面の笑み”のお顔で写っているのですが、”ナニかあるといけないから…”とF氏が心配しているので顔出しNGです。

非常に残念ですが、こんなご時世ですので仕方ないですね(泣)

オモリウキ考 ㉞ 最終話

では、オモリウキ考 ㉞ 最終話です。

前回㉝では、オモリウキのネーミングについての出来事を書き始めました。

テレビの釣り番組の影響

池で知り合った親子のお母さんの話では、家がこの池の近所らしく、少し前から釣りに来るようになったらしいです。

「この僕が、お父さんと釣りに来たのキッカケですか?」

と、尋ねてみると、意外な返答がありました。

「この子は女の子なんですよ(笑)父親は子供の頃やってたと言っていますが、今は全く釣りはやりません。この子がテレビの釣り番組を観てやりたがったんです」

私が男の子だと思いこんでいた子供は女の子でした。

それに、その女の子が釣りをやりたいと言い出したらしいのです。

ちなみに、お母さんの方も釣りは全く分からないらしく、この池でやっていた他の子供達の釣りを参考に、見様見真似でやりだしたらしいです。

なるほど、と私は思いました。たしかに、こんな感じでやっている子供を見かけることはありましたね。

新作フロートのモニターを依頼

私は少し前に新しく作り直した、フォーム材をボディにしたフロートが車の中にあることを思い出しました。

そのフロートは製作したものの、まだ使用したことはありませんでしたので、ちょうどいい機会なので、この幼い”釣りガール”に試してもらおうと思いました。

すぐ近くに停めた車からフロートを取りに行き、戻るとすぐに母娘の竿にリグ(仕掛け)を組みました。

フロートには、先ほどまで私が使っていた#20番ほどのフライフックに巻いた、小さなカディスを結びました。

いったい何がはじまるのかと、不安そうに二人は私のすることを見ています。

セットが完了した竿を持って、とりあえず私は手本を見せました。

ほんの少しだけの距離をキャスティングして、ゆっくりとリールを巻きました。

すぐに、フロートの先30センチほどに結ばれた毛鉤に、一匹のブルーギルがヒットしました。

軽く竿をアオってアワセを入れるとギルは掛かりました。

私の釣りを見ていた二人は、

「ワーッ、釣れた釣れたっ!」

と、大喜びしています。魚を外すと、私はすぐに子供のほうに竿を渡しました。

先ほど玉ウキを投げるのを見ていたので、とりあえずキャスティングの仕方は知っているようなので、投げてもらいました。

少し先に着水したフロートを今度はリトリーブです。

「ゆっくりとリールを巻いてから止めて、それを繰り返して」

そう私がアドバイスすると、チャンとそのようにスローリトリーブとストップを行えています。

「結構、スジがいいかも?」と思いました。

するとすぐに、一匹の小さなギルがフライをくわえました。向こうアワセで掛かったらしく、フロートを横に引っ張って走っています。

「あっ!釣れたよーっ!」

と、フロートの動きの変化に気がついたお母さんが、先に声をあげました。

子供の方は、事態がよく飲み込めていないようでしたが、

「そのままリールを巻き続けてっ!」

という私の言葉を素直に実行してくれました。

すぐ手前までフロートと魚が寄ってきたので、私は糸を手でつかんで魚を持ち上げました。

「あぁ!ホントだぁ!お母さんっ!お魚釣れたーっ!」

水から上がった魚を見て、女の子ははじめて自分が魚を釣り上げたことを実感したようです。

すぐに魚を外して、次を釣ってもらいます。

そうなのです、この釣りはエサを付ける必要がないので、手返しよく数を上げることができます。私としてはドンドンと次々に釣って欲しいのです。

オモリウキというネーミングと販売の決心

女の子はその後もフロートを使い、ブルーギルをドンドン釣り上げました。

釣り上がった魚から毛鉤を外すのは、お母さんがやってくれています。

「こんなに釣れると針(毛鉤)を外すのも大変ですね(笑)」

と、お母さんはちょっとウンザリしながら笑っています。

だいぶ、辺りが暗くなってきたので、釣り終了となりました。

最後には、”マブナ”が掛かりました。

暗くなってくると、鯉やマブナの喰い気が上がり、毛鉤への反応が良くなることが多いです。

フロートと毛鉤を何個か、その母娘にあげると凄く喜んでくれました。

お母さんは、フロートを手にして、

「これは一体何という名前の道具なんですか?  オモリ? ウキ?、釣具屋さんに売っているモノなんですか?」

との質問がありました。

どうやら、この釣りを今後も続ける意志があるようです。

毛鉤については、釣具屋さんやインターネットでも販売していると、先ほど釣りしながら私が教えましたが、フロートについての説明はしていませんでした。

私は説明に困りました。とくに、”名前”などは自分でも意識したことはありませんでした。たんにフロートと思っていますし。

ある程度釣りのことが分かる人ならば、いろいろと説明もできるのですが、”極小ワームでメバルやアジを釣るときのフロートリグの”などと言っても分かるわけありません。

「フロートリグ」の画像検索結果

「まぁ…オモリとウキの両方の役目を一つでこなしているんです。名前は普通はフロートとかよばれていますが、これとまったく同じモノは店には売っていないですが、誰でも簡単にすぐに作れますよ」

お母さんの方は、「???」といった顔をしています。

「そうですか…お店で買えないなら、壊れたり失くしたらもぅ終わりですね…」

いえ、あの、もぅ…だから、”簡単にすぐ作れる”って言っているのに…。

「エミちゃん、これはお店には売ってないんだって。大事に使わないとダメだよ」

女の子のに向かってそんなことを言っていますが、自作すれば材料代は一個100円もしないのに…。

やはり自分で釣具を作るというのは、こんなに簡単なモノでも抵抗があるようです。

「オジさんはどこで買ったのぉ?」

女の子は私に向かって、この時はじめて話しかけてくれました。

かなり気に入ってくれたようです。

スゴく残念そうにしているお母さんと女の子の顔を見ているうちに、私の中にある思いが生まれました。

そして、その思いは私の口から自然に言葉になって現れました。

「これと同じモノはお店には売っていませんが、これから私が作って販売します。名前は、え~と~っ…オモリとウキの両方なので”オモリウキ”ですかねぇ…」

私はこの池によく来るので、今度会った時には声をかけてほしいと、母娘に告げてその日は別れました。

この出来事が、”オモリウキ”というネーミングと販売の経緯です。

その後、とりあえず売り場として始めやすい、”レンタルBOXアメ横”で販売を開始しました。

現在は、長らくお世話になったレンタルBOXを引き上げ、”ネット通販ショップBASE”で販売を継続しております。

「BASE」の画像検索結果

ブログ連載”オモリウキ考”は、今回をもって最終回です。

最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございました。

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